水道水とミネラルウォーター
水道水とミネラルウォーター
私たちが普段口にしている水道水とミネラルウォーターにはどのような違いがあるのでしょうか?
水道水とミネラルウォーター
水道水とミネラルウォーターとはどのようなものなのか?
水道水
水道水は、今現在約98%普及しています
この水道水のほとんどの水源はダム貯留水や河川の水に依存しています
これらの水が浄水場に運ばれ消毒などをして配水区域にある給水場へ運ばれ、給水管を通って各家庭に運ばれます
給水管が長かったり、集合住宅での給水タンクでの貯水では雑菌が繁殖しやすいためより多くの塩素を使用します
ミネラルウォーター
基本的にミネラルウォーターは地下水を源泉としています
地下水を源泉としたものの水は以下の4種類にわけることができます
- ナチュラルウォーター...最も天然に近い水で一切処理がされていないもの
- ミネラルウォーター...沈殿・濾過、加熱殺菌以外の処理もされているもの
- ナチュラルミネラルウォーター...沈殿・濾過、加熱殺菌のみがされているもの
- ボトルドウォーター...飲用可能な水で特に規定はされていない(水道水でも可)
この中でボトルドウォーター以外が地下水を源泉としている水です
法律での規制値
水道水もミネラルウォーターも法律で細菌などの基準値をクリアしたもののみが各家庭に届けられています
水道水
水道水は、水道法によって規制されています
その項目数はなんと51項目もあります
水に含まれる細菌(土に含まれる大腸菌など)や重金属(鉛、カドミウムなど)に規制値を定めています
ミネラルウォーター
ミネラルウォーター類で殺菌または除菌をするものに関しては39項目の規制があります
これも水道水と同様に細菌や重金属の規制があります
規制の項目数だけをみると、水道水の方が安全だと思われます
しかし、
ミネラルウォーターは紫外線殺菌や加熱殺菌などをしているのに対し、
水道水には殺菌のための塩素が残留してしまった残留塩素やトリハロメタンなどの有害物質やカルキ臭などの味に影響を及ぼすものが含まれています
水の硬度とは
水には硬水と軟水があります!
その硬水と軟水を決定しているものはなんでしょうか?
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1L中に含まれているこの2つのイオンの量を表したものを硬度といいます
WHO基準ではこのイオン量が120mg/L以上を硬水、120mg/L以下を軟水としている
日本の基準ではこのイオン量が0~100mg/Lを軟水、101~300mg/Lを中硬水、301mg/L以上を硬水としています
軟水と硬水
日本の水は基本的に軟水で、ヨーロッパや北米の水は硬水です
日本のミネラルウォーターもよく知られているものは基本的には軟水です
(南アルプスの天然水、クリスタルガイザー、いろはす、ボルヴィックなど)
日本で市販されている硬水
水の中の発がん性物質
先ほどもお話ししたように水道水は、河川の水(生活用水)を水源としていて各家庭に届けるまでに長時間かか塩素による除菌が必要不可欠です
また、給水管やタンクの中で雑菌の発生や有害物質の発生があります
有名なものとしては、水道水中の残留塩素や塩素による除菌に伴って生成されるトリハロメタンが挙げられます
残留塩素
消毒としての塩素は次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムといった化学形で用いられています
この次亜塩素酸ナトリウムなどは水道水の消毒だけでなく、手の消毒液や濃いものではブリーチなどにも使われています
この残留塩素が危険というのは、少量の塩素で殺菌をすることができるため危険であるというようなことが言われています
しかし、塩素で除菌をしないと感染症にかかる可能性が大きくなってしまい塩素による害よりもはるかに大きな害をもたらします
そのため塩素による殺菌は妥当だと思われます
また、残留塩素(次亜塩素酸カルシウム)によってカルキ臭が生じてしまいます
カルキ臭によって水道水がまずく感じてしまいます
カルキ臭や他の残留塩素は煮沸することによって除去することができますが、残留塩素を除去してしまうと雑菌が繁殖しやすくなるため、残留塩素を除去した後には早めに水を消費した方が良いです
トリハロメタン
トリハロメタンとは、水道水を塩素で消毒をした際に有機物と反応することによって副産物として非意図的に生成されるもので、ヒトに対して発がん性や催奇形性が疑われています
水道水に含まれるトリハロメタンは主に4種類あります
日本での基準値を下に示します
この基準値はWHOで規定されている基準値よりも規制が厳しくなっています
また、このトリハロメタンはIARC(国際がん研究機関)において「発がん性があるかもしれない物質」として分類されています
この分類にはトリハロメタンだけでなく、コーヒーや漬物も含まれています
WHOやEUなどの基準と比べると日本の水道水に含まれているトリハロメタンの量は他国に比べ非常に少ないと言えます
トリハロメタンは煮沸することによって除去することができますが、日本のトリハロメタンの基準値が非常に厳しいことからもわかるようにあまり気にしなくてもよいと思われます
結果として、
日本では水道水の基準値非常に厳しいためトリハロメタンや残留塩素に発がん性があるといっても実際に水道水が原因で発がんすることは非常に低確率であることがわかります
まとめ
水道水とミネラルウォーターでは、規制されている項目数が異なり水道水の方が基準値が厳しく項目数が多い
水道水に含まれている残留塩素やトリハロメタンは発がん性があるかもしれないと言われているが、実際に発がんする可能性はとても低い
さらに残留塩素が無いと雑菌が繁殖しやすくなってしまい感染症にかかるリスクが大幅に増えてしまう
これらのことを踏まえ、水道水とミネラルウォーターの価格を考慮すると水道水の方が安全で価格も安いため水道水の方が良いかもしれないです
心配な方は浄水器などを取り付けたり煮沸して使用するのがよいです