放射線とは!?
放射線とは!?
放射線という言葉を聞いて拒絶反応を示す人もいるかと思いますが、放射線に対して盲目になるのではなく放射線を正しく理解し、正しく恐れましょう!!
放射線と放射能
放射線の発生
エネルギー状態の不安定な物質は安定した状態になろうとする際にエネルギーを放出します
このエネルギーが放射線として放出されます
放射線を発生させる能力
単位はベクレル(Bq)といい、単位時間当たり(1秒間)に何本の放射線が発生するかを表したものです
ベクレル(Bq)たけでなく、
1分間に何本の放射線が発生するかを表したcpm(count per minutes)
1秒間に何本の放射線が発生するかを表したcps(count per second)
という単位もあります
つまり、Bq=cps=本数/秒ということです
放射線の作用
電離とラジカルの生成
放射線には、物質を電離させる能力があります
簡単に言うと、放射線がエネルギーを与えることによって
原子核の周りの電子を放出させます
電離することによって電子の生成やその電子が周りの水分子と反応してラジカル(不対電子を持つ原子やイオン)を生成させDNAを破壊します
この電子によってDNAが直接傷つけられたり、電子によって生じたラジカルでDNAが傷つけられます
水分子との反応では、水素ラジカル(H・),ヒドロキシラジカル(OH・)が生じて
ヒドロキシラジカルは活性酸素種の1つのため非常に反応しやすく、DNAを傷つけます
電子などの荷電粒子によって直接DNAが傷つけられることを直接作用、ラジカルによって傷つけられることを間接作用といい、放射線治療で扱うようなX線などの光子ではこの間接作用が主体となっています
放射線の種類
放射線と一言で言っても種類があります
まず、電荷を持ってる(+の電荷か-の電荷)か持ってないか(電荷が無い)で分けることができます
直接電離放射線
直接電離放射線は、自分自身で原子や分子を電離させることができる放射線で、直接作用(荷電粒子がDNAを直接破壊する)が主体です
直接電離放射線には、電子線、陽子線、重荷電粒子線があります
間接電離放射線
間接電離放射線は、放射線のエネルギーによって原子の周りの電子を放出することによって原子や分子を電離させる放射線で、間接作用(ラジカルによってDNAが破壊される)が主体です
広義の放射線
広義の放射線と言えば、私たちに最も身近なものに可視光と紫外線があります
可視光や紫外線大半は電離作用の無い非電離放射線というもので、電離放射線と違い原子や分子を電離する能力がありません
しかし、一部の紫外線はエネルギーが高く電離作用がありタンパク質を変化させて皮膚に対して老化を引き起こしたり発がんの可能性があります
また、紫外線は晴れの日だけでないく曇りでも透過するため曇りの日にも日焼け止めをすることをお勧めします
被ばくすると
放射線被ばくをすると、直接作用や間接作用によってDNAが破壊されてしまいます
DNAが破壊されてしまうと細胞にも影響がでてしまいます
放射線治療などでは放射線皮膚炎や脱毛、放射線肺炎などが引き起こされます
普段の生活ではそういった放射線による皮膚炎などの症状はないです
日常では「広義の放射線」で話した通り、紫外線によるダメージが大きいのでUVカットをすれば大丈夫です
DNAにはDNAを修復するための機能があります
しかし、この修復が上手くできないと細胞にずっと「分裂しろ!」という信号を送ってしまう場合に細胞のがん化が生じます
まとめ
放射線には、
直接電離放射線(電荷あり)と間接電離放射線(電荷なし)があり
ラジカルによってDNAを破壊する仕組みがあります
日常の生活ではこれらの放射線による影響はなく、紫外線による影響が大きいため紫外線対策を毎日行うことが重要です